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CASENo.16

カスタム事例集 ライフバイオサイエンス 航空宇宙

微小重力下での造血幹細胞の増殖用バイオリアクターに貢献

BioServe Space Technologiesは、アメリカのコロラド大学ボルダー校内の航空宇宙工学科内にあるセンターです。
これまで90件以上の宇宙ミッションで、
微小重力環境下での生命科学の実験について、ハードウェアの設計や構築などを行ってきました。

 

現在、BioServe Space Technologies は、微小重力下での造血幹細胞の増殖をサポートするシステム
BioServe In-Space Cell Expansion Platform (BICEP)を開発しています。
(この写真は、このプロジェクトと類似したシステムの写真です)

 

造血幹細胞とは、赤血球や白血球、血小板などの元となる細胞です。

 

白血病やがんなどの治療方法である骨髄移植は、健康なドナーから採取した造血幹細胞を患者に点滴することで、
患者の骨髄に定着し、血液系を再生します。

 

この骨髄内で行われる造血幹細胞の増殖メカニズムは、まだすべてが解明されていません。

 

また、地上で増殖させた場合、培養が進むにつれて幹細胞の割合や頑健性が低下していきます。


微小重力環境下は、骨髄内における造血幹細胞の環境をよりよく模倣していると考えられ、

より高い品質の細胞移植用の細胞を増殖させることができると期待されています。

 

課題と解決

BICEP装置内で培地を約2 mL/minで灌流させるため、
BioServe Space Technologiesは、小型で信頼性の高いペリスタルティックポンプを探していました。

 

チューブポンプ RP-Qシリーズは、上記条件に加え、
すでに宇宙での実績があったことが採用の決め手になりました。
また、装置に合わせてポンプのチューブを長くするといった弊社のカスタム対応にもご満足いただけました。

 

地上実験では、ポンプは安定して駆動しています。

 

2024年8月3日、この実験装置は米国フロリダ州から補給船「シグナス」で打ち上げられ、
同6日、無事ISSへ到着しました。
これから微小重力下での造血幹細胞の増殖実験に貢献する予定です。


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