CASE

CASENo.24

ライフバイオサイエンス

流体制御装置によるカスタム実験モデル構築事例

お客さまは、12ウェルプレート2枚とポンプ8台を使用し、カルチャーインサートの内側とウェル側の両方(apicalとbasal)について流体制御を行い,生体内環境を模倣した条件下で、さまざまな薬液を用いた高精度な実験を行いたいと考えていました。
培地の急速な交換や穏やかな灌流、薬液濃度の調整などを自由に設定し、それらを簡単にプログラムして自動で実行できるコントローラーの作製も求められていました。
そのため、12ウェルプレートのうち6ウェルを使用し、プレート上部に液吐出/排出ノズルが付いたカスタム蓋を設計し,これを設置して薬液の注入や試薬の排出を行う構造が必要でした。
さらに、インキュベーター内へ安全に装置を移動できるよう、ポンプとウェルプレートを確実に固定すること、ポンプは上から手締めで着脱できる構造にすること、蓋は滅菌して繰り返し使用できるよう金属製とすること、またポンプのコネクタも固定して接続しやすくすることなど、細かな仕様についてもご要望をいただきました。

 

 

課題と解決

当社ではまずプロトタイプを作成し、お客さまによる検証結果をもとに再設計し、サイズを調整しました。
その結果、ご要望どおりの仕様を満たすカスタム装置を完成させました。

 

CustomFluidControlSystem

8台のポンプと薬液用チューブ、12ウェルプレートを一体化したカスタム流体制御

実験モデル引用:Fuenzalida B., et al., A primary cell-based fluidic co-culture model to investigate drug transport across the human placenta. The Journal of Physiology, 2026.

 

 

6chPump

取付金具を作製・取付し、上方向から取り外し可能としたポンプ

 

 

CustomizedLid

開発したカスタム蓋

 

さらに、本案件で使用されていた従来のコントローラーが、コロナ禍の半導体不足の影響により製造できなくなるという課題も発生しました。そこで当社では新型コントローラーの開発を実施。
加えて、8台のポンプそれぞれに生じる微小な流量差のキャリブレーション機能をプログラムに実装し、手動での細かな調整を不要にしました。 この仕組みにより、複数ポンプを組み合わせた条件でも安定した流体制御が可能となり、操作の煩雑さを意識することなく高い再現性で実験を行える環境を実現しました。

 

本装置は、ヒト胎盤の母胎間輸送を評価する in vitroモデル として、この度論文で発表されています。(Fuenzalida B., et al., A primary cell-based fluidic co-culture model to investigate drug transport across the human placenta. The Journal of Physiology, 2026.)

 

このモデルは、胎盤の複雑性を完全には再現しないが、動的流れを取り入れることで重要な輸送現象を再現可能で、従来の静的培養系では得られなかった実験データの再現性と精度向上に貢献しています。

 

当社は、1点からのカスタム製作にも対応し、お客さまの研究目的に合わせた装置を提供しています。
今後も世界中の研究者やイノベーターを支援し、科学の発展に貢献していきます。

 

論文はこちら

CONTACT

フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。

その他の事例を見る

一覧に戻る