CASE

CASENo.2

分析装置

海上二酸化炭素濃度観測ブイ – 海洋研究開発機構(JAMSTEC)

小型化・省電力化への挑戦。海上で二酸化炭素濃度を自動観測。

独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC ジャムステック)は、温室効果ガスの一つである二酸化炭素の吸収/放出量の分布を全球規模でより正確に把握するため、船舶を使い、海上の二酸化炭素濃度を観測していましたが、従来の方法に限界を感じ、海洋表面で漂いながら観測する「二酸化炭素観測ブイ」を開発しました。そのコアとなるフローセル部分に、当社の製品が搭載されました。

海洋研究開発機構 採用事例 高砂電気
海上での二酸化炭素観測の様子

 
海洋研究開発機構 採用事例 高砂電気
二酸化炭素観測ブイ内部

課題と解決

従来の船舶で観測するための二酸化炭素観測装置は、数本のガスボンベを必要とし、装置全体のサイズは、高さ1900×幅1200×奥行600mmほどでした。これでは大きく重く費用も高額で自動観測用の海に浮かべるような装置には不向きでした。
 
そこで開発されたのが、「二酸化炭素観測ブイ」と呼ばれる新装置です。リトマス試験紙のようにpH(水素イオン濃度)が変わると色が変わるpH指示薬溶液を利用して測定を行う仕組みです。ガス透過膜を通して周囲の海水と二酸化炭素の交換を行うと、pH指示薬溶液中を二酸化炭素が出入りすることによってpHが変化し、溶液の色が変化します。測定部ではpH指示薬溶液の色の変化を詳細に測定することで二酸化炭素濃度を計算し、衛星通信でそのデータを送信します。
 
pH指示薬溶液を送液するマイクロポンプや入れ替えるためのバルブ、測定部のフローセル、それらをつなぐ流路をマニフォールド化することによって、ブイ内部の小型化に貢献し、ブイの大きさは直径260、全長600mmまで小型化できました。

 
海洋研究開発機構 採用事例 高砂電気
海洋表層二酸化炭素センサーの構造 *画像提供:(独)海洋研究開発機構殿
 

当社の製品はガス透過膜(チューブ)にpH指示薬溶液を送液し、色を測定する部分(赤破線部分)を担っています。<?h4>

完成した計測装置は二酸化炭素観測ブイの小型化に貢献し、南極海において、1年間の漂流観測に成功しました。海洋研究開発機構様には、当社の得意とするカスタマイズ、小型化という点を高評価いただき、「我々の仕様を満たす製品を製作するため、打合せでは熱心に話を聞いていただき、数多くの電話やメールのやりとりを通して、満足のいく製品に仕上げてもらいました。」とコメントをいただいております。

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