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ソレノイドバルブとモーターの突入電流・逆起電力対策

ソレノイドバルブは、電気でコイルに電流を流し、その磁力で「プランジャー」と呼ばれる金属棒を動かしてバルブを開閉する装置です。ソレノイドには直流電源(DC)で駆動するものと、交流電源(AC)で駆動するものがあり、それぞれ挙動に違いがあります。


  1. DCソレノイドの場合
    直流電源を接続すると、電流は一定方向に流れます。
    コイルは、急に電流が増えるのを嫌う性質を持つため、電流は少しずつ増えていきます。
    そのため、電源や部品に大きな負担を与えることはあまりありません。

    一方、電源を切ったときには、コイルに蓄えられていたエネルギーが「逆起電力」として現れ、逆向きに電流を流そうとします。
    これが部品を壊す原因になるので、DCソレノイドではダイオードを並列に接続して、安全に電流を逃がす工夫をしています。

  2. ACソレノイドの場合
    交流電源では電流が周期的に変化します。
    電源を入れた瞬間に電圧が最大のタイミングに当たると、コイルの磁気回路が整っていない状態のため、一気に大きな突入電流が流れることがあります。
    また、電源を切ったときには逆起電力がサージやノイズの形で現れ、回路や周辺部品に影響を与えることがあります。
    そのため、ACソレノイドでは抵抗やコンデンサを使ったサージ吸収回路で保護します。

  3. ポンプ(モーター)の場合
    モーターで駆動するポンプでも突入電流が発生します。
    モーターは停止状態から動き出すときに大きな電流を必要とするため、起動直後には定常運転の数倍の電流が流れます。これがポンプの突入電流です。
    この大電流はブレーカーの誤動作や配線の負担につながるため、ソフトスタート回路やインバータ制御によって電流をゆっくり立ち上げる方法が使われます。

突入電流 保護方法
DCソレノイド 小さい ダイオード
ACソレノイド 電源投入タイミング・磁気飽和
で大きくなる
抵抗・コンデンサ
ポンプ 起動時に数倍 ソフトスタート・インバータ

 

 

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